今年に入って、6頭の新しい命が生まれました。
この時期に出産には、いつも以上に気を使います。出産は、時を選びません。陣痛が始まると、母牛のそばに付き添い、異常がないか確認します。ジャージー牛は、人の手を借りることなく自分で分娩します。
通常、胎児の向きが逆になっている場合などを除き、人が手を貸すことはほとんどありません。気になっても、じっと待つしかないのです。
子牛が生まれるとすぐ、母牛はその全身を丁寧になめ回します。牛の舌はざらざらとしています。子牛の体の周りについている粘膜を取り去ることで体をかわかすとともに、体の血行をうながすためです。
もちろん親子のコミュニケーションの面においても、それだけではない意味があると思います。子牛は、おぼつかない足取りですがすぐに起き上がり、母牛のそばでおっぱいに吸い付こうとします。
気温が高い時期であれば、そのままでも大丈夫ですが、冬の間は人間がバスタオルなどでしっかり拭き取る手伝いをします。外気との温度差で子牛の体からは白い湯気が立ち上ります。
うちの牧場では、赤外線ヒーターを導入しています。これを体にあて、体温が下がらないようにするのです。大事な子牛です。リスクを少なくするためには、創意工夫しながら常に新しいものを導入しなければなりません。 |